住所:彰化県鹿港鎮文開路32巷24号 (本店)
電話番号:04-7776250
営業時間:火曜から日曜10:00~18:00
Facebook:米弎豆Misato
「米弎豆は妻の店で、私はただのバイトです。」と答える陳宥達さんの回答はとても「正しい」です。この店名「MISATO」は、妻が故郷から持ってきた技術で作る小判餅を販売しており、二人の台湾・日本のラブストーリーは鹿港で開花しました。
彼らが出会ったのは、数年前のオーストリアでした。その後、遠距離恋愛を続けて、陳宥達さんは日本でしばらく滞在し、Misatoさんも台湾で一時期生活していました。しかし、お互いの国で適した仕事を見つけることができず、人生の大事な節目を迎えた二人は、台湾で起業することを決心しました。
それでMisatoさんは故郷の味を台湾に取り入れることを決意し、福岡太宰府の「梅枝餅」を「小判餅」に変えることにしました。簡単に言えば、餅の中に小豆などの餡を包んで焼いたものですが、食材は決して簡単ではありません。皮は九州産の米を使用し、輸入後に工場で粉にしてもらいます。九州産の米は日本の餅の硬さとは異なり、台湾の餅のベタベタさともまた別物で、焼き上がりはモチモチしていて、サクサクとした食感が楽しめます。「小判餅」と名付けられた理由は、その形を日本の昔の小判金にしたからです。中身も地元の食材にこだわります。脆粒小豆(サクサクとした小豆)以外、抹茶小豆、芳醇タロ芋、香ばしいごま味などもあります。アイスドリンクもソフトクリームなどの商品も開発されました。焼きたての「やきもち」は老街を散策中に楽しめる上品な和菓子でもあり、ユニークな手土産としても最適です。
元々神社の参道で販売されていたこの餅を、台湾でも信仰の中心地、「廟」(寺院)の前で販売したいと考え、最終的に鹿港天后宮の近くの商店街に場所を見つけました。媽祖廟の懐かしい雰囲気と伝統文化は、和菓子にさらに相応しい感じを与えました。
開店に移住して店を開いた夫婦は、すぐに地域に溶け込み、商店街の他の店舗の人々とも親しくなりました。「鹿港はとても人情が深いです。台北の都会区では味わえないと思います」と宥達さんは言います。日本から台湾に嫁いだMisatoさんは、中国語が上達し、少しずつ台湾語も理解できるようになりました。ただ、蒸し暑い天気でよく熱中症になってしまうため、それでカッサもチャレンジしてみたところ、気持ちよく感じ、ますます台湾人らしくなっています。
小判餅が人気を博したため、夫婦は店舗の拡大を計画していましたが、展開速度は予想以上に早かったです。例えば、まず老街と民権路の交差点に最初の支店を開き、続いて台中の草悟広場にも進出しました。その後、スタッフが台北で学業を続けながら、休日にアルバイトをしたいという希望があり、彼も協力して大稻埕に出店しました。それにより、仕事を提供するとともに、商品を北部にも広めることができました。
今年は合興青創基地近くの古民家で、イートイン店「弎茶咖啡」をオープンし、客が座って交流し、体験ができる場を提供しています。「鹿港新住民」となった宥達さんは、これはチャンスであり挑戦でもあると述べています。彼はこの場所を地方の共創・共生のスペースにしたいと考えています。例えば、パフォーマンスのステージを提供したり、メーカーを招いて出店してもらったりすることです。専用のスペースを持つことで、想像の幅も無限に広がります。
この文章は『今秋誌 II 洛津維新』からの引用です。『今秋誌 II 洛津維新』は鹿港発の地方誌で、鹿港囝仔と地方のパートナー店の6年間の成長と変化を記録しています。環境にやさしいフェスティバルのコンセプトから、最近では鹿港に帰郷・移住してきた多くの若者たちと知り合い、一緒に地方で奮闘し、現代の鹿港の生活を豊かにしています。郷愁風やレトロ情緒に満ちた昔の基盤の上に、新世代の生活スタイルが育まれています。